1st batch

醸造日:2001年11月3日(土)
瓶詰日:2001年12月1日(土)
醸造量:500リットル
初期比重:1.054
終了比重:1.013
アルコール:5.5%(v/v)

参加者:
中山重信、日塔光一、木村不二雄、熊谷治巳、小池隆、下野一哉(ロコビア)、鍵谷百代(ロコビア)

2nd batch

醸造日:2001年12月22日(土)
瓶詰日:2002年2月2日(土)
醸造量:500リットル
初期比重:1.055
終了比重:1.014
アルコール:5.5%(v/v)

参加者:



考案者:日塔光一

−★ 材料 ★−
500リットル 20リットル
麦芽 (初期比重:1.055)

Pale Malt 104.5 kg 4.2 kg
Crystal Malt 5.5 kg 0.2 kg
Chocolate Malt 0.45 kg 18 g
ホップ (IBU:40.0)

E.K.Goldings 90分(15.0 IBU) 553 g  
E.K.Goldings 50分(7.5 IBU) 277 g  
Fuggles 50分(7.5 IBU) 310 g  
Fuggles 10分(10.0 IBU) 412 g  
Fuggles ドライホップ 750 g 1.5 g/L
イースト

Wyeast #1968 (London ESB)   XL
1pack
−★ 醸造工程 ★−
マッシング

Mash-In (grist:water=1:3) 70.0 ℃
Starch Conversion 90 分 65.5 ℃
Mash-Out 10 分 77.0 ℃
Sparging 78.5 ℃
Boiling 90分
醗酵

一次醗酵 2日 18.0 ℃
終了まで 22.0 ℃
ダイアセチル・レスト 3日 10.0 ℃
ドライホップ 14日 10.0 ℃


ESBとは「エクストラ・スペシャル・ビター」の頭文字を取った略語で、多くのパブなどでは「イー・エス・ビー」と呼ばれています。

英国の伝統的なエールにビターと呼ばれるものがあります。通常のビターはアルコール度数が3%程度と低く、スムーズな飲み口で何杯でも飲めるが特徴です。ビターでも特にアルコール度を高めたものを総称してストロング・ビターと呼びますが、少しだけアルコール度を高めたものをスペシャル・ビター、これよりもさらに強いものをエクストラ・スペシャル・ビターとアルコールの強さで呼び名を分ける場合もあります。

通常アルコール度を高めるためには原料の麦芽を増やし、ビールの素であるワォートの糖分を高める必要があります。そのため、でき上がったビールはアルコールが高いだけでなく、麦芽の風味が濃厚となるのも特徴です。この強いボディに負けない苦味を出すためにはホップの量も通常より多めにしなければなりません。このように、エクストラ・スペシャル・ビターは原料を惜しまずにたくさん使ったビターで、まさに超(エクストラ)特別(スペシャル)なビターなのです。

通常ビターはカスクと呼ばれる樽で熟成され、ハンドポンプを使って提供されます。
醸造所で醗酵が終わったビターはカスクと呼ばれる樽に詰められて出荷されますが、熱やフィルターで酵母を取り除くことは一切しないのでビールにはまだ酵母が含まれています。この酵母がビール内に残っている糖分をゆっくりと分解しビールの熟成が進みます。同時に店主がホップを投入(ドライ・ホッピング)して味を整え、頃合いを見て店に出されるのです。

また人工的に炭酸ガスを封入することもなくグラスに注ぐ際にもポンプが使われるので、ビールに溶け込んでいる炭酸が弱く、日本のビールに比べると炭酸による刺激が少なく感じるかも知れません。

我々は本物のエクストラ・スペシャル・ビターを瓶で再現するよういくつかの試みをしました。まず、カスクで提供されるビターと同様に瓶詰め直前にドライ・ホッピングをしました。これにより通常のビールよりもホップのアロマが強烈に出ています。また炭酸レベルも低めに設定しています。
フィルターも酵母を取り除く目の粗いフィルターを使うだけにとどめ、オリジナルの色合いもそのままに瓶詰めしました。
強烈なファッグル・ホップのアロマと風味豊かな麦芽の香りを十分に堪能していただくため、ぜひ12〜13℃程度の少し温い温度でご賞味下さい。