05年9/10月
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10月3日(月) 【Hood River】[現地時間:10月2日]
◆ ポートランドへ
デンバーからポートランドへと移動しました。
デンバーでの晴天とは打って変わりポートランドは雨でどんよりとした天気。 気温も低く長袖を着ないとちょっと寒い感じです。 コンピュータシステムのトラブルか何かでデンバー出発が一時間弱遅れたのですが、ポートランドのレンタカーセンターが空港直結だったため、思ったよりも遅れずに空港を出ることができました。
◆ Full Sail Brewing
まず最初に向かったのは有名なFull Sail Brewingです。
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ウィラメット川沿いには数々の滝があるらしい。これはマルトノマ滝で、全米で第4位の落差を誇るらしい。 以前とは違うロゴマーク。帆の形はそのままに色使いなどが変わっている模様。“EMPLOYEE-OWNED”の文字も入っている。 Full Sail Brewingの入り口。脇にはホップが植えられていました。 テイスティングルーム。グッズも豊富。
ポートランドにもパブがあるこのメーカの醸造所は、ポートランドの東にあるHood Riverという町にあります。 一番最初にGABFに来た時(だったと思う)に飲んだVery Special Pale Aleが素晴らしく美味しく、絶対に行って見たいブルワリーのひとつだったので、行くならブルワリーのあるHood Riverと決めていました。
ポートランドからはホップの名前となっているWillamet川沿いの道をひたすら走ります。 この川を挟んで対岸がWashington州。 川幅はとても広く流れも緩やかな感じですが、Oregon州側は山が迫って切り立っており、滝などの観光スポットが点在しています。
約一時間のドライブでHood Riverに到着。 この町はこれまたホップの名前にもなっているMt. Hoodへの入り口の町で、以前は汽車の駅があって栄えたようですが、今は静かな田舎町となっています。 そんな町の中心部近くにブルワリーはありました。
到着時刻は13:00ちょっと過ぎ。 ちょうどブルワリーツアーをやっている時間帯でした。 (サイトによれば13:00〜16:00がブルワリーツアー) そのことについて聞いてみると、14:00から始まるとのこと。 ちょっと時間が合ったのでツアーが始まるまでの間テイスティングルームでビールを飲むことにしました。
ビールは全部で8種類ありました。 カウンターに行ったときにハンドポンプが目に入ったので、すぐさまカスクコンディションドを頼みましたがこれがとても渋い。 その他のビールもまあまあという感じで、ものすごく期待していたわりにはいまいちでした。 これも一度潰れて、オーナーが変わったからでしょうか?
以下テイスティングノート。
  • Sunspot IPA (cask)
    ホップのアロマがよい感じ。渋みが強い。
  • Rip Curl
    マイルドのような薄いビールの匂い。色は濃いめ。モルティでホップキャラクターは弱い。思った以上にボディがある。
  • White Knuckle Wit
    スパイシーな香りだが弱い。軽めのベルジャン。
  • Pale Ale
    ホップキャラクターは感じるが弱い。ボディは中〜低くらい。アメリカンではない感じ。
  • Amber Ale
    ホップのアロマは弱い。ボディがあり結構良いアンバー。
  • IPA
    これもホップアロマは弱い。ペールエールのホップを強くした感じ。少々渋いがこれも良い。
  • Wassail
    ホッピーすぎず適度にホップが利いたビール。少し渋い。アルコールはあまり感じられないが少々強い。
  • Black Gold
    ホップアロマははっきり感じられる。ドライなインペリアルスタウト。
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巨大なマッシュタン。青いクレーンみたいな所を通ってグレインが投入される。 ロイターも巨大。こちらは横に大きい。 ビールの比重を測る準備のため、水流ポンプを使ってアルコールを飛ばす。 ファーメンターも巨大。12mmレンズ(35mm換算で18mm相当の画角)でも上部まで写せませんでした。
14:00になっていよいよブルワリーツアーのスタートです。 システムは約200バーレルととても大きなものでした。 醸造量の85%が瓶詰めということでボトリングラインもかなり立派なもので、一分間に最大600本の瓶詰めが可能とのこと。 見学させてくれた大きなファーメンターではレギュラーの製品を作っているそうで、シーズナル等醸造量の少ないものはテイスティングルームに向かう途中で見えた小さなファーメンターを使っているとのことでした。
ツアーの最中にも説明がありましたが、ここは一度オーナーが変わっています。 変わった経緯は良くわかりませんが(サイトにも詳細は無い)現在では”employee-owned“という従業員が所有者となっています。 これが1999年とのことなのでかれこれ5年以上この形態で操業していることになります。 アメリカでもこういう形態が稀なのか良くわかりませんが、日本でも学習する点が多いのではないかと思いました。
◆ Walking Man Brewing
Hood Riverからポートランドへ戻る途中、対岸のWashington州にあるWalking Man Breweryに寄りました。
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ビールジョッキを持った人がトレードマーク看板。 一階部分がパブ&ブルワリーになっている。 バーカウンターのイスも特徴的。 今回のGABFで“High Road”がStrong Scotch Ale部門で金メダルを受賞したことを知らせる看板。
Willamet川は川幅がかなり広いので架かる橋はそれほど多くありません。 そのため対岸に渡る地点によってはかなり遠回りになることを覚悟していたのですが、ブルワリーがある近くにちょうど橋があったのでほとんどロスなく渡ることができました。 対岸を数マイル上流に戻ってStevensonという町に入るとほどなくしてWalking Man Brewingの看板が見えてきました。 建物の一階部分がパブとなっており、入り口には日よけのためかホップが植えてありました。
この時にあったビールは全部で10種類。 個々に色々なビールを飲みながら回し飲みをしていると、ブルワーだと言う人が声をかけてくれました。 少し話をしているとブルワリーを見せてくれると言うので、全種類飲み終わった所でお願いすることに。
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パブから見たブルワリー。所狭しと醸造設備が置かれている。 マッシュタン。ミルは二階にあるようで、挽かれたグレインが直接落ちてくる構造となっている。一緒に写っているのは案内してくださったブルワーさん。デンバーから到着したばかりとのことでした。 オープンファーメンター。行ったときは発酵終了後で水が張ってあった。 セラー内部。中央に見えるのがバーボンカスクで、中にはドッペルボックが入っているとのこと。
パブの横にある醸造室に入ると大きな仕込み釜と発酵タンクが置いてありました。 小さいとは言っても一回の仕込み量は20バーレル(2,400リットル)と日本で言えばかなりの大きさの釜です。 発酵タンクはオープンファーメンター。 見学した時はフタが閉じられて、ラップでシールされていました。 発酵中はオープンにしてイーストをあふれさせているそうですが、発酵が終わると閉じてシールしておくそうです。
発酵が終わったビールを置いておくセラールームに入るとそこには色々なモノが置いてありました。 特に気になったのが気のカスクです。 これはバーボンカスクとのことで現在この中でドッペルボックを熟成しているとのこと。 来年のGABFには持っていくみたいなことを言っていました。 もう一つステンレスのカスクも置いてありました。 こちらにはパブでは品切れとなっていたHomo Erectusが入っているとことで、飲めなかったことを伝えると飲ませてくれることに。 カスクコンディションによくありがちなホップの渋味がなくとてもバランスの良いビールでした。
パブに戻って飲んでいなかったビールを注文していると、先ほどのブルワーが「熟成中のドッペルボックを飲んでみるか?」と聞いてきました。 喜んでぜひ飲ませて欲しいと伝えると、全員分持ってきてくれました。 香りはバーボンでとてもクリーンなビールでした。
以下テイスティングノート。 さすがに6名で回ると全種類制覇が簡単にできます。
  • Ramblin' Raspberry
    すごいラズベリーの香り。ドライでラズベリーの味はほとんどしない。
  • Barefoot Brown
    アメリカンブラウンなのにホッピーでない。おとなしい。
  • HOPTOBERFEST
    甘っぽい匂い。ダイアセチルか。飲んでも少しダイアセチル。ホッピーさはない。
  • Walking Man IPA
    ホップの香り良し。渋めだがバランス良い。
  • Crosswalk Wheat
    ホップアロマはないが味はある。とてもクリアーなアメリカンウィート。
  • Black Cherry Stout
    チェリーの香りが強いが他に何かはいっていそう。チェリーの味もする。ドクターペッパーの味。
  • High Road
    モルティな香り。すごく甘い。アルコール度は9パーセントらしいがそれを感じさせない。
  • Walking Stick Stout
    チョコレートの香り。少し甘みがある程度でバランスがよい。
  • Knuckle Dragger Strong Pale Ale
    すごいホップアロマ。少し渋いけどバランスがよい。
  • Homo Erectus (cask)
    バランスがよい。ホップアロマは弱いがしっかりとフレーバーがついている。モルティさも良い。
  • Babon Barrel Aged Doppel Bock Somnambulator Doppelbock
    9.3%香りはバーボン。アルコールさがあるがとてもクリーン。
◆ Horse Brass pub
ポートランドに戻ってホテルのチェックインを済ませ、ジム・パーカーがここで働いているビアパブへ行きました。 今日はここで夕飯です。
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看板。 入り口。
店の隣には酒屋が併設されており、マイクロブルワリーのビールや輸入ビールを取りそろえてあります。 面白いのはビールは一本だけが陳列されており、注文すると中から出してくれると言う方式をとっていることです。 人件費がかかる反面、光による劣化がないのでこだわる人には良いかも知れません。
酒屋を後にしてパブに入ると、早速ジム・パーカーが出てきてくれました。 火曜日の昼間にポートランドの町中を案内してくれるとのことになりました。
アメリカにしては珍しく店内は全面的に喫煙可能となっており、おかげで着てた服が臭くなってしまいました。 ビールを一杯とハンバーガをちょっとつまんでこの日は終了。 長い一日でした。
ここで飲んだビールは下記の通りです。
  • Blck Butte Porter (Deschuts)
    モルティ。ローストの感じが良い。
  • Peregrin Took Cask (Stillhead)
    ホッピーで少々渋いがなかなか良い。
  • Double Diamond Brown (dick's)
    酸っぱい味。
  • Cream Ale (Hales)
    ニトロ。泡がクリーミーでスムーズ。
  • 2 Below Winter Ale (New Belgum)
    ホッピーだが渋くない。木樽でエイジングか。
  • Blue Dot IPA (Hair of the Dog)
    オレンジのかおり。ホッピーで渋い。
本日のベスト:Walking Man “Babon Barrel Aged Doppel Bock Somnambulator Doppelbock”
香りはバーボン。アルコールさがあるがとてもクリーン。熟成中のものを特別に飲ませてもらった。
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